プロパンガスの基本料金(ガス代の基本料金の相場と地域差)

ガス代の基本料金(ガス料金の基本料金)は、プロパンガスでは使用量にかかわらず毎月かかる料金です(省令では「量にかかわらず生ずる費用」)。資源エネルギー庁の公表データ(令和8年8月末現在)で、47都道府県の平均を同じ重みで平均すると月2,035円が目安です。節約では動かせないのに、地域と会社でいちばん差が出ます。

ガス代の基本料金とは何か

2025年4月から、LPガスの請求は基本料金・従量料金・設備料金の3つに分けて示すことになりました。 そのうち基本料金は、条文では「消費した液化石油ガスの量にかかわらず生ずる費用」と書かれています (法律を実施するための省令、液化石油ガス法施行規則 第16条第15号の7)。

つまり、ガスを1m³も使わなかった月でもかかる分です。 こまめに止める、お湯の温度を下げる、といった節約はすべて従量料金にしか効きません。 基本料金は、契約している会社と地域で決まってしまいます。

保安料とは何か・請求書のどこに出るか

「保安料」は、請求書や料金表に会社が付けている呼び名です。 液化石油ガス法と施行規則の条文には、「保安料」という語は出てきません(e-Gov法令検索で本則を検索、2026年10月10日確認)。

国の説明では、基本料金は「ガスの使用量とは関係なくガスの安定供給のため固定的に発生する経費」で、 一般的には容器・調整器・ガスメーター等の供給設備、販売事業者賠償責任保険料、設備の点検・調査等の保安管理費、検針・集金等の管理費で構成されるとされています (中部経済産業局「LPガスの取引の適正化」に掲載のQ&A、2026年10月10日確認)。 保安料と呼ばれる欄は、このうち点検・調査などの保安管理の費用にあたることが多いと考えられますが、何を含めるかは会社ごとに違います。

使った量に応じて増えるものではないので、ガスを使わなかった月にも請求される側の費用です。 検針票では、基本料金の内訳として書かれているか、別の欄に分けて書かれているかを確かめます。 別の欄になっている場合に、基本料金と設備料金のどちらの区分として扱われているかは、契約時の書面や会社への問い合わせで確かめてください。 このサイトでは、個別の請求書の欄が法令に合っているかは判断しません。

保安点検の根拠になる条文

保安点検は、液化石油ガス法第27条が定める「保安業務」にあたります。 同条第1項は、液化石油ガス販売事業者に対し、販売契約を結んでいる一般消費者等について、供給設備の点検、消費設備の調査、災害防止に必要な事項の周知、災害時の措置を行うよう義務づけています (e-Gov法令検索、2026年10月16日確認)。 同条第2項は、認定を受けた保安機関に保安業務を委託している場合、その範囲では販売事業者自身の義務を適用しないと定めています。 このため、点検に来る会社が契約先の販売事業者とは別の保安機関であることもあります。保安機関の認定と、契約先の確かめ方は保安機関とはに整理しています。

条文は、点検を行う義務を定めているだけで、点検の費用を料金のどの区分に入れるか、利用者が別に払うかどうかまでは書いていません。 請求書に点検の費用が出ているときの区分は、上の段落のとおり、契約時の書面や会社への問い合わせで確かめてください。

ガスを使わなかった月の基本料金

ガスを使わなかった月でも、基本料金はかかります。 基本料金は、条文が「消費した液化石油ガスの量にかかわらず生ずる費用」と定めている区分だからです。 使用量がゼロの月は、従量料金が0円になり、基本料金だけが請求されます。

ただし、基本料金に何を含めるかは会社ごとの料金表で決まります。 使わない月の扱い(長期の不在時の取り扱いなど)は、契約書面や料金表に書かれている内容で確かめてください。 条文が示しているのは区分の考え方までで、個別の契約の扱いはこのサイトでは判断できません。 月の状態ごとの整理はプロパンガスを使わない月も基本料金はかかるかに表でまとめています。 基本料金の欄が検針票のどこにあるかは検針票の読み方で探せます。

検針票の欄の読み取り例(仮の数字)

検針票の基本料金の欄を、ほかの欄と並べて読む例です。

検針票の欄仮の数字表すもの確かめる先
ご使用量10 m³量。料金の額ではない検針票の読み方
基本料金(区分1)1,500 円使った量にかかわらずかかる費用施行規則第16条第15号の7(このページ)
従量料金(区分2)7,000 円単価×使用量の額(単価ではなく額)施行規則第16条第15号の7、従量単価のページ
設備料金(区分3)500 円消費設備の貸与等にかかる費用施行規則第16条第15号の7・第15号の8・第15号の9、設備料金のページ

数字はすべて説明のための仮のもので、実際の額や相場ではありません。欄の呼び名は検針票の読み方と同じで、実物の名前や並びは会社ごとに違います。

どれくらい違うのか

地域どうしの差

公表データ(資源エネルギー庁のLPガス価格調査、令和8年8月末現在)で、県内の地域ごとの平均を見ると、 いちばん低いのが栃木県の芳賀で1,634円、いちばん高いのが青森県のむつ下北で2,545円。 差は月911円、年にすると10,932円です。

47都道府県それぞれの平均値を、同じ重みで平均すると2,035円になります。ただしこれは「県の平均の平均」で、 世帯数で重みを付けたものではありません。自分の地域と比べる目安としては、下の「同じ地域の中の差」のほうが役に立ちます。

同じ地域の中の差のほうが、ずっと大きい

地域どうしの差より、同じ地域の中の差のほうが大きいのがこの料金の特徴です。 たとえば千葉県では、公表されている基本料金が最低1,500円・平均1,911円・最高3,320円。 同じ県に住んでいて、契約している会社が違うだけで月1,820円、年で21,840円の開きがあります。

県の平均だけを見ても、自分がこの幅のどこにいるかは分かりません。 平均1,911円と比べて「だいたい平均くらい」と思っていても、 実際には下から2割の位置かもしれないし、上から2割かもしれない。意味が正反対です。

自分の地域での位置を見る
請求書の基本料金を入れると、あなたの地域の最低・平均・最高のどこにいるかが出ます。 県だけでなく、県内をさらに分けた地域でも比べられます。 判定へ

月額を年額・5年・10年に換算すると

基本料金は使わない月もかかるので、月額に12、60、120を掛けるだけで、1年・5年・10年の合計になります。同じ都道府県の中でも、最低と最高では10年で大きな差になります。

基本料金(月額)を、年額・5年・10年に換算した額(都道府県全体)
都道府県区分月額1年5年10年
東京都最低1,130円13,560円67,800円135,600円
東京都平均1,926円23,112円115,560円231,120円
東京都最高2,420円29,040円145,200円290,400円
愛知県最低1,210円14,520円72,600円145,200円
愛知県平均1,938円23,256円116,280円232,560円
愛知県最高2,970円35,640円178,200円356,400円
北海道最低1,760円21,120円105,600円211,200円
北海道平均2,308円27,696円138,480円276,960円
北海道最高3,355円40,260円201,300円402,600円

平均が高い地域と低い地域

県の下の地域(調査上の区分)のうち、基本料金の平均が高いほうと低いほうを、それぞれ上位だけ示します。全地域の一覧ではありません。

基本料金の平均が高い地域(5地域)
地域最低平均最高
青森県・むつ下北2,400円2,545円2,640円
北海道・宗谷・留萌2,178円2,447円2,640円
富山県・新川2,180円2,389円2,585円
北海道・網走2,200円2,358円2,640円
山口県・山口・防府2,255円2,353円2,475円
基本料金の平均が低い地域(5地域)
地域最低平均最高
栃木県・芳賀1,240円1,634円1,980円
鹿児島県・県北1,650円1,715円1,760円
鹿児島県・鹿児島1,540円1,748円2,090円
鹿児島県・県西1,650円1,760円1,980円
千葉県・千葉市1,500円1,770円2,200円

静岡 2,103円

中遠 2,091円

富士 1,994円

熱海 1,981円

東部 1,964円

藤枝 1,940円

浜松 1,858円

下田 1,791円

  • 平均がいちばん高い地域
  • 平均がいちばん低い地域

静岡県の8地域について、基本料金の平均を高い順に並べた図です。地域どうしの平均の差は312円です。 資源エネルギー庁「LPガス価格調査」の公表値の並べ替えのみの加工で、代表として1県だけを載せています。地域名は調査の区分で、市の名前とは限りません。

資源エネルギー庁「LPガス価格調査」(令和8年8月末現在)の公表値から、地域ごとの基本料金の平均を高い順・低い順に並べたものです(並べ替えと抜き出しのみの加工)。 平均が同じ額の地域が5件目をまたぐときは、その額の地域を表から外しています。最低と最高は調査に答えた別々の店の額で、どの世帯にも起こる額という意味ではありません。

料金が今後も変わらないと仮定した単純な掛け算です。値上げや値下げ、契約の見直しは含みません。自分の請求書の基本料金が、この最低と最高のどこにあたるかは判定で出せます。

基本料金が高いことと違反の関係(自由料金制)

プロパンガスは自由料金制で、会社が自分で料金を決められます。 基本料金が地域の高い側にあるというだけでは、契約に問題があるとは言えません。 配送の距離、保安の体制、容器や設備の状況で、かかる費用は実際に変わります。

ただし、何にいくらかかっているのかを示すことは制度上求められています。 条文は3つに分けて通知することに加えて、「算定根拠を通知すること」まで書いています。 高いと感じたら、その内訳の根拠を尋ねることはできます。

「設備料金 0円」なのに基本料金が高いとき

ここが見落とされやすいところです。資源エネルギー庁のQ&Aは、設備料金を「0円」「該当なし」とする場合について、 事業者側に次を求めています。

LPガス料金に、設備料金が含まれていない(該当なし、0円)とする場合、対外的に説明できるようにしておく必要。 特に、賃貸集合住宅等のオーナー等に対して無償で設備貸与等を行っている場合、 消費者が負担するLPガス料金でその費用を回収していると考えられることから、 客観的な根拠により当該費用を含めていないと説明できるようにしておく必要あり。

出典:資源エネルギー庁「三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)に関するQ&A」(令和7年3月25日策定)

「設備料金0円」は、設備の費用がゼロであることを意味しません。 規制する側が、その費用がほかの料金に紛れている可能性を前提に置いているということです。 設備料金が0円で、かつ基本料金が地域の高い側にあるなら、そこに何が入っているのかを尋ねる具体的な理由になります。

詳しい根拠と、賃貸の場合に確かめられることは「設備料金とは」のページにまとめています。 ボンベの交換や配送の費用が請求書のどの項目に入っているかを確かめる順番は、ボンベ交換の決まりのページにあります。

基本料金を下げるには

使う量を減らしても、この部分は動きません。動かせるとしたら契約の側です。 ただしこのサイトはガス会社の紹介や乗り換えの取次ぎをしていません。 できるのは、自分がいまどのあたりにいるのかを数字で確かめることと、 制度上たずねられることを知ることまでです。

よくある質問

基本料金には何が含まれていますか?

施行規則第16条第15号の7は、基本料金を「消費した液化石油ガスの量にかかわらず生ずる費用」と定めています。 この区分に具体的に何を入れるかは会社ごとの料金表で決まるので、内訳は契約書面や料金表で確かめてください。

ガスを使わなかった月も、基本料金は請求されますか?

基本料金は使用量にかかわらず生ずる費用の区分なので、使用量がゼロの月は従量料金が0円になり、基本料金だけが請求されます。 長期の不在時の取り扱いは会社ごとに異なるため、契約書面や料金表の記載で確かめてください。 月の状態別の表と0m³の月の計算例はプロパンガスを使わない月も基本料金はかかるかにあります。

基本料金が地域の高い側にあると、契約に問題がありますか?

プロパンガスは自由料金制で、会社が料金を決められます。高い側にあるというだけでは、問題があるとは言えません。 一方で条文は、3つに分けた費用の算定根拠を通知することまで求めているので、内訳の根拠を尋ねることはできます。 個別の契約が規定に適合しているかどうかの判断は、このサイトではしません。

設備料金が0円なのに、基本料金が高いのはなぜですか?

設備料金が0円でも、設備の費用がゼロとは限りません。資源エネルギー庁のQ&Aは、0円や「該当なし」とする場合、事業者が客観的な根拠で説明できるようにしておく必要があるとしています。 基本料金が地域の高い側なら、そこに何が入っているかを尋ねる理由になります。

基本料金が高いと感じたら、何と比べればよいですか?

同じ地域の最低〜最高の中で、自分の基本料金がどこにあるかと比べます。基本料金は使用量に関係なく毎月かかるので、使う量を減らしても動きません。 請求書の基本料金・従量料金・使用量を判定に入れると位置が分かり、県内の開きは相場のページで見られます。 従量単価の側が高い場合もあるので、あわせて従量単価とはで切り分けてください。

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基本料金のほかに設備料金の欄が検針票にあるときは、その設備が会社の持ち物かどうかを設備の所有の確認と契約書面の費用で確かめられます。

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