通知の期限(原則は新しい価格を使い始める日の1か月前まで)
資源エネルギー庁は、LPガス販売事業者が守るべきことをまとめた「取引適正化指針」を定めています(2017年2月22日に制定、2024年7月2日に改訂。以下「指針」)。 指針は、販売価格を変えるときの通知について、原則として、変更後の価格を使い始める日の1か月前までに、消費者へ通知する必要があるとしています。
この「変更後の価格を使い始める日」を、指針の運用を説明する資源エネルギー庁のQ&A(平成29年策定、同年12月改訂)は、変更後の価格でLPガス料金の計算が始まる日だと説明しています。 このページでは「適用開始日」と呼びます。
| 場面 | 通知の期限(指針の定め) |
|---|---|
| 値上げなど、値下げ以外の変更 | 適用開始日の1か月前まで(原則) |
| 値下げ | 遅くとも適用開始日の前まで |
| 原料調整制度に沿って料金を変える場合 | 遅くとも適用開始日の前まで |
原料調整制度は、Q&Aが「いわゆる原料調整制度」と呼ぶ仕組みです。 LPガスの輸入価格などの変動に応じて、使用量に応じてかかる料金を変える旨を、あらかじめ契約で決めているものを指します。 自分の契約がこれにあたるかどうかは、契約している事業者に問い合わせて確かめます。
通知に書くこと
通知には、変更後の販売価格と変更する理由を書くことになっています。 方法は、検針票や請求書などに直接書くか、同じ内容を書いた書面を検針票や請求書などに添えるかのどちらかです。
あわせて、変更前と変更後の価格を比べられるように書くことも求められています。 必要なのは、消費者が変更後の価格を簡単に見分けられるように書くことです。指針は、その例として次の書き方を挙げています。
- 変更前の価格と変更後の価格の両方を書く。
- 「○○円の値上げ」「○○円の値下げ」と書く。
- そのうえで、変更後の価格の文字を、変更前の価格や周りの文字より大きくするか、色を変える。
Q&Aが答えている3つの疑問
「1か月前」は、検針日の1か月前のことですか
検針日ではなく、適用開始日の1か月前です。 変更後の価格での計算が始まる日と検針日が同じなら、検針日の1か月前までに通知します。 両方の日が違うときは、計算が始まる日の1か月前までに通知します。この場合は、検針票とは別の方法で通知する必要があります。
書面以外(メールやウェブサイト)でも通知できますか
消費者が承諾した方法であれば、書面以外でも通知できます。メールやウェブサイトが例に挙がっています。口頭による通知は、この方法から除かれています。 承諾を得たときは、その旨を書いた書面に署名や認印をもらうなど、客観的に確かめられる形で確認しておく必要があります。
原料調整制度で、価格が決まる日が遅いときはどうなりますか
原料調整制度でも、通知は必要です。価格が変わるときは、適用開始日の前までに通知します。
ただし、価格の決定日と適用開始日が同じ日になる、または適用開始日のほうが決定日より前になる仕組みの場合は、事前に通知できません。 Q&Aは、次の2つの条件をどちらも満たすときに限り、適用開始日以降の通知でもよいとしています。
- 使用量に応じた料金を輸入価格などの変動に応じて変える旨を、あらかじめ契約で決めている。
- 適用開始日が価格の決定日より前になることについて、あらかじめ消費者の合意を得ている。
この場合も、価格が決まったら、できるだけ早く、遅くとも1週間以内に通知することが必要です。
指針は法令ではありません
Q&Aは、指針について、法令に基づくものではなく、守らない事業者に法令による罰則などが適用されるものではないと説明しています。 取引の公正さと透明さを確保するための行政指導で、守っていない事業者には、守るよう指導するとしています。 これは平成29年12月時点の説明です。
この「1か月前」には、条文の裏づけもありません。施行規則(法律を実施するための省令)の条文(本則)に、「1か月前」にあたる言葉は出てきません (e-Gov法令検索で確認、確認日 2026年10月4日)。 請求のときに基本料金・従量料金・設備料金の3つに分けて算定根拠を通知する義務は、別の規定です(設備料金とは)。
通知が届いたときに確かめること
- 変更後の価格と、変更する理由が書かれているか。 変更前の価格と比べられる書き方になっているかも見ます。
- 適用開始日がいつか。 検針日と違うことがあります。通知を受け取った日から適用開始日までの間が、1か月あるかを数えます。
- 契約が原料調整制度かどうか。 そうであれば、通知が適用開始日の直前になることがあります。
- その額が、地域の中でどのあたりか。 値上げが地域全体の動きなのか、自分の契約だけなのかは、プロパンガスの値上げと判定で確かめられます。
自分の請求額が地域のどのあたりかを見る
通知された価格を確かめる前に、請求書の基本料金・従量料金・使用量を入れてください。
47都道府県と、県内をさらに分けた264地域の計311地域の最低・平均・最高のどこにいるかが出ます。
氏名・住所・電話は聞きません。判定へ
通知が見当たらないとき
通知が無かった、または1か月より短かったからといって、このページから違反だと決めつけることはできません。 原料調整制度の契約か、適用開始日がいつかによって、通知の期限が変わるためです。 まず、契約している事業者に、通知の時期と適用開始日を問い合わせます。 それでも納得できないときは、お住まいの地域を管轄する経済産業局の窓口、または消費生活センターへ相談します。 経済産業省はLPガス商慣行通報フォームも設けています。
このページでしないこと
個別の事業者が指針に沿っているかを判断したり、高い・安いを評価したりはしません。 ガス会社の紹介や乗り換えの取次ぎもしていません。 ここに書いたのは、指針とQ&Aに載っている説明だけです。Q&Aは平成29年のものなので、現行の文言は指針の本文で確かめてください。
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