ガス会社の切替えを制限する条件付き契約の禁止

賃貸でもガス会社を変えられるのかという疑問に、LPガス法の施行規則が何を定めているかを、資源エネルギー庁の説明資料で確かめました。

禁じられているのは、切替えを制限する条件を付けた契約です

LPガス法の施行規則は、LPガスを売る会社(販売事業者)に対し、ガス会社を変えることを制限するような条件を付けた契約を結ぶことを禁じています。 経済産業省令の改正で加わった決まりで、「過大な営業行為の制限」と呼ばれる2つの禁止のうちの1つです。 もう1つは正常な商慣習を超えた利益供与の禁止です。

このページは、その禁止が賃貸と持ち家でどう書き分けられているかを、資源エネルギー庁の 説明資料(令和6年7月12日付、近畿経済産業局の説明会で配られたもの)と、e-Govの条文で確かめたものです。

賃貸と持ち家で、契約の相手が変わります

場面販売事業者が結んではいけない契約
賃貸(建物の所有者と、住む人が別)建物の所有者等との間で、入居者がガス会社を変えることを制限するような条件を付けた貸与契約等
持ち家(建物の所有者と、住む人が同じ)住む人との間で、ガス会社を変えることを制限するような条件を付けた販売契約等

条文の書き方は、どちらも「締結しないこと」です。つまり、禁じられているのは販売事業者の側の契約のしかたです。 入居者に、会社を選ぶ権利を新たに与える決まりではありません。 賃貸では、この契約の相手は入居者ではなく建物の所有者等です。

いつから禁じられているか

この禁止は2024年7月2日に施行されました。 資源エネルギー庁の資料では、過大な営業行為の制限と、入居前の料金情報の提供が2024年7月2日、 請求を3つに分けて通知する三部料金制の徹底が2025年4月2日の施行とされています。 設備料金の決まりとは、施行日が別です。

どんな契約が問題になりうるか

同じ資料に、有識者・業界・消費者の代表が参加するワーキンググループ(WG)の中間とりまとめの抜粋があります。 切替えを制限する条件を付けた契約の具体例として、次の3つが「挙げられるのではないか」と、案の形で書かれています。

これは検討の段階での例示です。確定した基準ではありません。 どのような行為が法令に反するかは、取引の内容や影響など様々な要素を総合的に見て、個別に判断するものだと資料は説明しています。 自分の契約が当たるかどうかを、このページで決めることはできません。

なぜ設けられたか

資料によると、いわゆる「無償貸与」とは、賃貸集合住宅の入居者とのLPガス販売契約を獲得するために、 オーナー等へエアコンなどの設備を無料で提供し、後日その費用を消費者のLPガス料金として回収する商慣行です。 近年は、紹介料やボンベ置き場の賃借料という形の利益供与の事例もあるとされています。

設備の費用を負担した会社が、ほかの会社へ切り替えられないよう契約に条件を付ければ、囲い込みが続きます。 資料は、こうした商慣行そのものを是正し、消費者がLPガス事業者を選びやすい環境を整えることを、規定の趣旨としています。

事業者に求められていること

資料の「取引適正化ガイドライン」の改正案には、この禁止についても、問題となりうる行為の考え方、事業者が取り組むべき事項、望ましい行為を載せる方針が示されています。 望ましい行為としては、建物の所有者と配管の所有者を一致させ、貸付配管を行わない方向で取り組むことが挙げられています。 貸付配管とは、販売事業者が建物内のガス配管の所有権を持ったままガスを供給する商慣行のことです。

なお、資料が作られた2024年7月の時点で、ガイドラインは「公表に向けて作業中」でした。 確定した文言は、資源エネルギー庁が公表している指針の本文で確かめてください。未確認の部分はここには書いていません。

違反した場合に、事業者が受けうる措置

この禁止は施行規則第16条に置かれているため、資料によると、次の措置の対象になります。

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このページでしないこと

個別の契約や、個別のガス会社が禁止に当たるかどうかは判断しません。 ガス会社の紹介や、乗り換えの取次ぎもしていません。 契約を解除するときの設備の精算は解約と精算で扱っています。

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