プロパンガス解約時の配管の所有権移転

解約したとき、会社が持つ配管は適正な対価で消費者のものになります。その対価の決め方と例外を整理します。

解約のとき、配管は誰のものになるのか

プロパンガスの配管(ガスメーターから室内のガス栓までの管)は、ガス会社が設置費用を出し、そのまま会社の持ち物として扱われていることがあります。 この場合、解約すると「配管の残りの価値を払ってください」と言われることがあります。

この場面について、国の省令は「解約の申し出があったら、会社が持っている配管は、適正な対価で消費者に所有権を移すこと」と定めています。 ここでいう消費者は、契約をしている本人です。以下、何が決まっていて、何が決まっていないのかを順に整理します。

省令が決めていること

一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、消費設備に係る配管であって液化石油ガス販売事業者が所有するものについては、 当該一般消費者等が別段の意思表示をする場合その他やむを得ない事情がある場合を除き、適正な対価で一般消費者等に所有権を移転すること。 (当該配管の所有権が液化石油ガス販売事業者にある場合に限る。)

ポイントは3つです。

「適正な対価」の決め方

資源エネルギー庁の運用基準(省令の読み方を示した文書)によると、適正な対価とは、契約のときの書面に書かれた「精算額の計算方法」で出した額のことです。 その計算方法は、各ガス会社が決めてよいことになっています。ただし、配管の設置費用や設置してからの年数などをもとに、説明できる方法でなければなりません。

書面に書く精算額の計算方法は、「解約がいつならいくらになるか」が分かる書き方にするのが趣旨とされています。 たとえば、減価償却(年数がたつごとに価値が下がる計算)と同じように、残りの価値と精算額が一致する方法などが考えられるとされています。 一方で、計算方法の中身までは国が決めておらず、「この式でなければならない」という全国共通の計算式はありません。

このページが示せないこと
精算額の目安を計算する式は載せません。国が式を定めていないため、ガス会社ごとの書面の記載が唯一の根拠になるからです。 手元の金額が妥当かどうかの判断も、このページではしません。

移転しなくてよい場合

運用基準は、例外の中身を次のように説明しています。

賃貸の場合、解約の当事者が入居者でないことが多いため、賃貸の場合のページも合わせて確認してください。

配管の所有を、設置費用の負担だけで決めてよいのか

この規定は「配管の所有権が会社にある場合」の話です。では、会社が設置費用を出したら、配管は会社のものなのでしょうか。 運用基準は、契約の書面(所有関係の欄)について、次のように述べています。

また、会社が配管を所有していない場合に、消費者へ配管の費用を請求できないのは当然だと明記されています。 請求を受けたときは、まず契約の書面の「所有関係」に何と書いてあるかを確かめるところから始まります。

撤去との関係

配管の所有権の移転と、会社が持っている供給設備の撤去は別の規定です。 撤去については、消費者から求められたら、会社は原則として1週間以内に設備を撤去するものとされています。 ただし、精算額の支払いと撤去を同時に行うという契約条項がある場合や、消費者が料金の支払いを不当に遅らせている場合は、撤去を待つ正当な事由に当たります。 一方、契約を続けてもらうために撤去の手続を遅らせることは、正当な事由に当たりません。 撤去の規定は解約と精算のページに整理しています。

確かめる順番

  1. 契約の書面を出してもらう。手元に無くても、求めれば交付してもらえます(詳しくは契約時の書面の記載事項)。
  2. 配管の所有関係の欄を見る。会社の所有と書かれているかを確かめます。
  3. 精算額の計算方法の欄を見る。解約の時期に当てはめて、提示された額と合うかを見ます。
  4. 説明が足りなければ、計算の根拠を尋ねる。設置費用や経過年数をもとにした説明ができるはずです。
  5. 解決しないときは相談窓口へ。経済産業局の窓口、または消費生活センターです。

このページでしないこと

個別の契約について、精算額が妥当か、支払う義務があるかは判断しません。契約の内容と事情で変わるため、法律の専門家の領域です。 ガス会社の紹介や乗り換えの取次ぎもしていません。

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